聴覚や嗅覚を生かして暮らせるように
動物の視力、聴力、嗅覚、味覚の喪失を診断することは、言葉を話さないために、大変にむずかしいものです。また、片側だけが冒されているときには、反対側がその肩代わりをするため、外観からは把握しにくいのが現実です。
進行性網膜萎縮症とは、眼球後部の内側表面に沿って並んでいる光感受性のある膜が次第に萎縮して、剥離し、視力を失ってしまう病気です。ミニチュアロングコートダックスの常染色体劣性形質で、6カ月齢ぐらいから徐々に萎縮が始まり、視力障害が出始め、短い経過で目が見えなくなります。網膜が成熟して、いったん目が見えるようになってから、徐々に視野が小さくなって視力を失うために、生活に慣れるのに少し時間がかかりそうです。ものにぶつかって歩く姿は、大変かわいそうなのですが、もし、遺伝性の網膜萎縮症だとすれば、回復は望めません。これからの生活では、次の点に気をつけてあげてください。
犬は本来、やや近眼で、視野が狭く、グレーがかった映像を見ています。しかし、聴覚や嗅覚は人間の何十倍もすぐれています。ですから、その能力を生かして生活できるように、耳や鼻は健康に保ってあげましょう。耳は、外耳炎を起こさないように定期的にケアを行います。また、犬は歯槽膿漏などになると、上顎洞炎を起こし、嗅覚に影響を及ぼしますので、歯磨きを徹底し、歯槽膿漏などにならないようにしてください。将来、高齢になり、聴覚や嗅覚が衰えてきたときには、よりいっそう暮らしにくくなると思われます。今のうちから、室内の家具の配置もなるべく変えないようにして、ものにぶつからないよう、環境も整えてあげましょう。
ところで、4カ月の同居犬は、家に迎えてから、どのくらいたっているのでしょうか。犬同士のコミュニケーションは、自然に犬が学ぶと思いますが、先住犬が早期に親犬から離されていて、犬同士のコミュニケーションがわからない場合には、飼い主が見ていられるときに2頭を一緒にするようにし、様子を見ながら近づけてあげるようにしてください。
