間関係を大切に、訴えられない工夫を
一般的に言って、犬の吠え声に対する社会の反応は、徐々に厳しくなってきています。以前であれば、犬が番犬という役割を担っていたこともあり、少々吠えるのは当たり前で、近隣は当然がまんすべきものと考えられていました。しかし、現在では、セキュリティーの発達で番犬が無用になったことに加え、地域の人間関係が変化し、希薄になってきたことなどから、犬の鳴き声に限らず、何事につけ、がまんの範囲が狭くなってきているのです。
したがって、犬の飼い主が、以前のままの意識でいると、深刻なトラブルに発展しかねません。近隣のトラブルが裁判になれば、勝ち負けに関係なく人間関係が非常に悪くなりますので、事前に対処するのが鉄則です。かんこさんも、気にしておられるのであれば、かんこさんの精神衛生上からも、家の中で飼われるなどの方法をとって、すぐに対応されるのがよいと思います。それと、犬が鳴くのには、それなりの原因がありますので、一度訓練士か獣医師に相談されて、鳴く原因をなくす方法を考えられてよいのではないでしょうか。
あとひとつ大切なことは、近隣と顔をあわせたときなどに、「犬の鳴き声がやかましくありませんか? やかましいときはいつでも注意してくださいね!」などと声をかけ、コミュニケーションをとることです。それだけで、近隣の気持ちはずいぶん違い、同じ犬の鳴き声でも、小さく感じるものです。また、そうしておけば、ある日突然、内容証明郵便が届くなどということもないでしょう。鳴き声の問題については、訴えられたときの心配より、訴えられない工夫をすることのほうがはるかに大切です。そのことをご理解ください。
限度を超すと、損害賠償や慰謝料の対象にも
その上でのご質問に対する回答ですが、この種の問題に対する法律の判断は非常に微妙で、かんこさんのご質問の内容からだけではなんとも判断できませんが、もし、犬の鳴き声ががまんの限度を超え、近隣に精神的、財産的損害を与えているのであれば、損害賠償や慰謝料を払わなければなりません。また、場合によっては、将来、同じような被害を出さないために犬を鳴かさないよう必要な処置をとらなければなりません。このようなことを考えると、事前の解決がいかに大切であるかおわかりいただけるでしょう。
