吠える状況を客観的に考えてみる
日本の住宅事情を考えると、犬が吠えるというのは、飼い主にとって頭の痛い問題です。近所から苦情が来た場合にはなおさらですね。
では、犬はどうして吠えるのでしょうか。中にはいくつかの理由が絡み合っている場合もありますが、この理由や原因を客観的に考えてみることが問題解決の糸口となるのです。
まず、犬が置かれている状況を考えてみましょう。ご相談の場合は、引っ越し後に吠えるようになったとのことですから、とくにその前後について、よく考えてみてください。引っ越しそのものが生活環境の大きな変化になっているのは明らかです。これは、飼い主家族と犬の双方にいえることです。これに伴って、他に生活の変化はないでしょうか。例えば、屋内から屋外の飼育になった、一緒に過ごす時間が減った、家族が増えたなどといったことです。
次に犬が吠えている状況を思い出してください。時間帯は決まっているのか、何かに対して吠えているのか、意味もなく吠えているのかなどなど。さらに、犬の吠え方はどうでしょうか。威嚇するようなのか、恐怖を感じているようなのか、飼い主に要求・催促しているのか、何の脈絡もなさそうなのか。
今回は、引っ越しという大きな要因がありますから、引っ越し前の状況についても同じように考えてみてください。それなりに吠えていたのか、ほとんど吠えなかったのか、現状と比較してみるといかがですか。吠えることと無関係に思えることでもよいので、些細なことでも思いつくことを書き出してみましょう。
今回のご質問の場合は、「警戒や警告」によるものだと考えられます。犬は、仲間や縄ばりを守ろうとする意識が強いので、それらに近づく見知らぬ人や犬、ものなどに対しては、断固として吠えて抗議します。そして困ったことに、通行人や犬、来客などは、その場を立ち去ってしまうため、犬は「今日も吠えることで、上手に追い払うことができた」という満足感を得てしまいます。こうして、犬の頭の中には、「見知らぬもの→吠える→いなくなる」という図式ができ上がり、「吠える」という行動が強化されていくのです。 飼い主が叱っても吠えるのをやめないのは、犬が叱られていると思っていないからです。犬が吠えているときに、私たちが同じように大声を出すと、犬は応援されていると勘違いして、ますますはりきって、大きな声で吠えます。また、叱っている人を、自分より下位だと犬が認識している場合は、叱られても何とも思わないばかりか、逆にその人を守ろうと必死に吠えます。このような理由から、問題改善はむずかしく、改善が見られるまでの時間は、ケースによっても異なりますが、以下に、実際の対処法をご紹介しますので、あせらず根気よく続けてください。
動物病院に犬を預けてみては
今回のご相談の場合には、とくに冷静になって考える時間が必要なように思われます。とはいっても、その間も犬は吠えているのですから、そんな悠長なことはいっていられないというのが現状でしょう。そこで、お互いにクールダウンするためにも、思い切って、犬を預けてみることをおすすめします。できれば、動物病院に預け、その間に健康診断を受け、身体的な問題がないか確認するといいでしょう。人間でも痛みがあったり、体がだるかったりと具合の悪いときはイライラするものです。愛犬の年齢が8歳というところからしても、血液やレントゲン検査などの全身的な検査を受ける、よい機会でしょう。
