無駄吠えが直らない

5歳のオス犬です。ある程度の基本的なしつけはしたのですが、無駄吠えだけがどうしても直りません。他の犬が通りかかったり、他人が近寄ったりすると、私がいくら叱っても、言うことを聞かないので困ります。

M.Tさん

アドバイス

この場合は、縄ばり意識が原因

 犬の無駄吠えは、多くの飼い主の方が、多少なりとも悩んでいる問題ではないでしょうか。しかし、犬たちにすれば、「無駄」ではなく、理由があるから吠えているのです。
 今回のご質問の場合は、「警戒や警告」によるものだと考えられます。犬は、仲間や縄ばりを守ろうとする意識が強いので、それらに近づく見知らぬ人や犬、ものなどに対しては、断固として吠えて抗議します。そして困ったことに、通行人や犬、来客などは、その場を立ち去ってしまうため、犬は「今日も吠えることで、上手に追い払うことができた」という満足感を得てしまいます。こうして、犬の頭の中には、「見知らぬもの→吠える→いなくなる」という図式ができ上がり、「吠える」という行動が強化されていくのです。 飼い主が叱っても吠えるのをやめないのは、犬が叱られていると思っていないからです。犬が吠えているときに、私たちが同じように大声を出すと、犬は応援されていると勘違いして、ますますはりきって、大きな声で吠えます。また、叱っている人を、自分より下位だと犬が認識している場合は、叱られても何とも思わないばかりか、逆にその人を守ろうと必死に吠えます。このような理由から、問題改善はむずかしく、改善が見られるまでの時間は、ケースによっても異なりますが、以下に、実際の対処法をご紹介しますので、あせらず根気よく続けてください。

1.驚かせてやめさせる

 小石や小銭などを入れた空缶を、犬が吠えているときに足元の地面に投げつけます。大きな音に驚いて、一瞬でも吠えるのをやめたら成功です(このとき、飼い主がやったと気づかれないように注意してください)。これを、吠えるたびに繰り返し行い、「吠えると嫌なことが起こる」と思うようになれば、無駄吠えは軽減されるでしょう。水鉄砲で顔に水をかけるなど、犬が不快に思うことなら、方法はなんでもかまいませんが、いずれの場合も天罰方式で行い、決して飼い主の仕業だと気づかれないようにしてください。また、臆病な犬には、天罰が恐怖とならないように注意しましょう。

2.その場で厳しく叱る

 飼い主がしっかりとリーダーシップがとれているのであれば、その場で厳しく叱ります。厳しくといっても、大声や体罰は必要ありません。吠えている対象とは反対の方向に顔を向けさせ、しっかりと犬の目を見すえて、低く落ち着いた口調で叱ります。このとき、犬に何を叱られているのか、しっかりと理解させることが大切です。

3.トレーニングを強化する

 オスワリやフセなどのトレーニングを徹底的に強化し、犬が吠えたら(理想は吠える前)、オスワリやフセなどの指示を出し、それを守らせるようにしましょう。犬は2つの動作を同時にとることができません。ですから、犬が吠えたら、オスワリなどの指示で他の動作をさせ、吠えることができない状況をつくればいいのです。

4.去勢手術をする

 支配欲や縄ばり意識は、メスよりオスの方が強いのですが、オスの場合は去勢することで、それらを軽減させることができます。

5.犬小屋は落ち着く場所に

 屋外飼育の場合には、刺激の少ない落ち着いた場所に犬小屋を設置します。道路に面しているときは、目隠しになるようなものを小屋に取りつけてみましょう。犬小屋は、犬がさびしくないように、家族の様子が見える中庭などに設置するのが理想的です。逆に、人の出入りが激しい玄関のそばなどは避けた方がよいでしょう。
 今回は、テリトリー意識が原因で吠えている場合の一般的な対処法についてご紹介しましたが、無駄吠えの対処法は、その背景によっても変わってきます。運動量の不足やそのストレスから、些細な刺激で過敏に反応し、吠えるようになることもありますので、散歩や一緒に遊んでいる時間は十分かといったことも、検討してみてください。