病院なら、交配後20日すぎからわかる
交配したら、妊娠をできるだけ早く確認することが望まれます。妊娠が早くわかれば、妊娠中の母犬の適切な管理や出産準備、生まれた子犬の世話についての計画が早めに立てられるからです。動物病院なら、交配後20日めくらいから、触診や超音波検査で、妊娠を判断できますので、受診されることをおすすめします。ちなみに、犬の妊娠期間は、58〜68日で、平均は64日前後とされています。このように幅があるのは、授精して子宮に着床するまでの日数が条件によって変わってくるからです(着床してから分娩までの期間はほぼ一定とされています)。以下に、妊娠を知る方法や妊娠中の注意点をご紹介しますので、参考になさってください。
1.外見上の変化
一般の方が、妊娠を判断できるのは、外見上の変化からでしょう。交配後、腹部がふくらんでくるのは、30日めくらいからです。交配後7週めころから、乳腺がはっきり発育してきます。
2. 腹部の触診による変化
より確実なのは、交配後20〜25日ごろの間に、子宮の胎子とこれを取り巻く膜を触知する方法です。この胎子の含まれている子宮の部分は丸く、他の子宮の部分と区別できます(肥満犬では脂肪にさえぎられ、触知するのがむずかしいことがあります)。ただし、この方法は、注意深く行わねばならず、ある程度の経験と専門能力が必要ですので、この時期に、獣医師の診察を受けることをおすすめします。この時期を過ぎると、胎子と膜は、球形から細長い形に変化するので、触診だけでは偽妊娠や子宮蓄膿症と区別がつきにくくなります。
3. 超音波検査
超音波検査でも、犬の妊娠を調べることができます。交配後、18日めころから子宮の妊娠した部分が膨らむのを確認することが可能です。28日めころからは、胎子の動きや心臓の鼓動を画像から見ることができます。この検査では、胎子呼吸、胎子の死、胎子のミイラ化も診断できます。また、交配後、時々発生する子宮蓄膿症も早期に発見できることがあります。
4.レントゲン検査
分娩18日前ころには、胎子の骨格がレントゲン写真で確認できるようになります。この時点で使用されるレントゲンの量は、母犬にも、子宮内の子犬にも悪影響を及ぼすことはありません。このレントゲンで確認できる骨の種類により、おおよその妊娠期間を予測することができます。
妊娠41〜43日ころを過ぎると、肩甲骨と頭の骨以外の骨が明らかになります。58日めころになると、ほぼ全身の骨(指の骨まで)もはっきりしてきます。
5. 偽妊娠
交配しても、必ず妊娠するとは限りません。妊娠時に体内で増加する黄体ホルモンは、偽妊娠の状態でも増加します。食欲の増加、乳腺の増大、ときには腹部が大きくなることもあります。
妊娠中に気をつけることは?
妊娠中の犬には、栄養のバランスの取れた食事を与えることが大切です。胎子の発育とともに、母犬の食事量は自然に増えてきます。しかし、人間同様、過剰給餌や体重オーバーは避けねばなりません。妊娠中や授乳中の母犬には、特別なフードがありますので、どのようなフードを選ぶべきか、また、ビタミン、ミネラル、タンパク質、あるいは脂肪の補充についても、獣医師にご相談ください。
また、毎日の適度な運動は、筋肉の力を保ち、妊娠を維持させるのに必要です。筋肉の力が弱かったり、太りすぎていたりすると、正常な妊娠の維持や分娩に悪影響を及ぼします。妊娠中の投薬、ワクチン接種、寄生虫の駆除は、できる限り避けてください。これらの処置は交配前にすませておくのが理想的です。
出産予定の少なくとも10日前くらいには、清潔で暖かく、乾燥し、隔離された大きな寝床を用意してください(犬が利用しないこともありますが)。腹部がさらに大きくなってくると、活動性は鈍くなってきます。出産の数日前には、乳腺はさらに発達し、しぼると乳汁が見られることもあります。長毛の犬では、出産前の準備として、過剰な毛をブラシで取り除いたり、乳腺部やお尻、陰部の周囲の毛を刈り取るのが望ましいでしょう。また、これらの部分に汚れがついたら、きれいに落としておいてください。
