世話の必要がなくなってきたのでは
生まれたての子犬は目も見えず、体温調節すら自分ではできません。生命の存続すべてを親犬に委ねている状態です。それが生後40日となると、排泄も自力でできるし、さまざまなことに興味をもち、あちらこちらと自由に動き回り、いたずら、やんちゃ盛りが始まります。
また、食事に関しても、親犬の食べているものに興味を示し、母乳以外のものを食べるようになる離乳期となります。この時期の子犬には、乳歯が生えています。乳歯は永久歯に比べて小さいのですが、尖っているため、母犬にとっても授乳は苦痛となり、授乳を嫌がるようになります。固形物を食べる準備のできた子犬の場合、今までほど親犬が世話をする必要がなくなるわけですが、このことが子犬をけむたがっているように見えるのではないでしょうか。
子犬と離れて休める場所を用意する
これからの時期、子犬は肉体的にも精神的にも、飛躍的に発達していきます。楽しいこと、嫌なこと、危険なことなど、いろんなことを学習していきます。兄弟や親犬との暮らしからは、犬同士のつき合い方、ルールを学んでいきます。
子犬の様子をよく観察してみてください。遊んでいる時など相手を押さえ込んだり、かみついたり、オモチャを独り占めしたりと、自分を主張している子犬がいるはずです。子犬の時代からすでに優劣の上下関係が存在するのが、犬社会なのです。親犬もまた、子犬の無礼な行為に対しては、押さえ込む、うなる、軽く噛むなどの態度でたしなめます。これは正常な行動で、犬の礼儀を教えているのです。決して親犬が子犬を傷つけることはないし、子犬も甘えたり、媚びたりと許しを乞うような態度を示しているはずです。こうして、子犬は犬社会のマナーを学んでゆくのです。
これは、犬として人間社会で一緒に暮らしていくためにも、とても大切なことです。すぐれた存在に対して従うことを、自然なこと、当然なこととして受け入れることは、とても意味のあることではないでしょうか。このような意味からも、今回の場合、立派に子育てをしているわけですから、それほど心配する必要はないと思われます。
ただし、母犬は7歳ということもあり、出産・子育てと体力的に少々厳しい部分もあるでしょうから、子犬と離れて、休むことのできる場所を与えるとよいのではないでしょうか。外敵がいるわけではありませんし、子犬が呼べば飛んでいくと思います。犬に限らず、子供というのは本当に疲れを知らないのですから、まともにつき合っていては、大人のほうがヘトヘトになってしまうでしょう。
優先順位は、徹底して守ることが必要
最後に、跡取り娘を残すとのことですが、これにはまた別の注意が必要です。犬の優劣というのは、非常にシビアなものです。現在は、完全に親犬が優位でしょうから、家族全員でこの優先順位を守るようにしてください。食事、遊び、散歩、かまうとき、すべてにおいて親犬が優先です。これは、基本的に一生継続するようにしてください。
ただし、犬同士の様子を見ていて、明らかに順位が逆転しているようであれば、その順位を尊重するようにしましょう。子犬が心身ともに成長した2歳のとき、親犬は9歳です。年齢的には、世代交代の時期になります。それぞれの性格にもよりますが、子犬が親犬に挑戦するような態度をとり始めたとしたら、親犬がそれを認めてしまうのか、許さず断固としてその地位を守ろうとしているのかを、飼い主が見極めるようにしましょう。
他に例外としては、親犬がまったく順位に固執しない場合や、上位になることが性格的にかえって苦痛になる場合もありますので、そのときは無理に優先にする必要はないでしょう。多頭飼育は、それぞれの相性や性格によって折り合いをつけていくことが必要です。また、無駄な順位争いを起こさないようにするためにも、飼い主がしっかりとリーダーシップをとり、毅然とした態度でその場を仕切っていってください。
