新しい犬を迎える前に!
新しい犬を迎えるとき、すでに犬を飼っている場合は、まず、先住犬の性格を考えます。見知らぬ人や犬に対する態度、新しいことに対する適応力や許容範囲、テリトリー意識。そして、何よりも大切なのは、現在、問題となる行動がないこと、飼い主がリーダーシップを発揮できていることです。
先住犬が問題となる行動をもっているのであれば、そちらの解決が先です。なぜなら、新しく犬を迎え入れたことが、さらに問題を悪化させたり、新しい犬まで問題行動のある犬にしてしまったりする可能性があるからです。
次に、生活環境です。犬にかかる時間や費用、スペースなど、基本的に今の2倍になるわけですから、真剣に考えてください。これらをクリアしたうえで、新しい犬について考えます。前述の事柄を考慮して、どんな犬を飼うのがよいか話し合いましょう。
先住犬と新しい犬の相性は?
一般的に、先住犬と違う性別で、年齢が若い方がよいとされています。ただし、これは絶対ということでなく、先住犬が受け入れやすいタイプの犬を選ぶ上で無難な選択というだけです。最終的には、犬同士の相性を優先させましょう。
今回のご相談の場合は、オス同士で、お互いに成犬です。さらに先住犬よりも、新入りの方が年上らしいとのこと。正直言って、むずかしいケースだと思います。
ケンカの程度は、どうでしょうか。お互いに姿を見ると、すぐにエキサイトしてしまいますか。それとも所有物の奪い合いなど、何かきっかけがあってなのでしょうか。お互いに挨拶もせずに、ケンカが始まってしまうのであれば、相性は最悪かもしれません。先住犬にしてみれば、今まで自分と飼い主が暮らしていたテリトリーの中に、見知らぬ犬が突然やって来たのですから、自分たちの生活を脅かす敵だと、第一印象で判断してしまってもおかしくないでしょう。このような場合には、残念ですが、「仲よく」なるのは、むずかしいかもしれません。
2匹を仲よくさせるには?
2匹が一緒に暮らしていくには、まずは、先住犬に「新しい犬が群れ(家族)の一員である」と認識させなくてはなりません。その過程で、ある程度の妥協と順位の決着がつけば、争いは減るはずです。では、具体的にどうすればいいのか、以下にご紹介します。
1.去勢手術をしていないのであれば行う。
これは、テリトリー意識や上位志向を軽減させ、ライバル意識を持たせないようにするためです。手術は2匹とも行い、順番は、現在下位と思われる犬から行います。順位の判断がむずかしい場合には、同時か、なるべく時間をあけずに行うようにしてください。
2.基本的に先住犬を優先にする。
ご飯や散歩、ブラッシングなど、犬に接するとき、声をかけるときなど、すべて先住犬から行うようにします。ただし、新しい犬の方が明らかに優位の場合は、こちらを優先とします。
3.楽しいことは2匹一緒のときに行う。
相手の犬がいるときには、何かよいことがあると関連づけさせ、相手の存在が不快ではなく、好意となるように認識させます。犬にかまう機会を、相手の犬の存在を意識している状況下でのみ行います。相手のいないところでは一切かまわず、無視するくらいが効果的です。
4.競争心をあおるようなことに注意する。
ひとつのボールを追わせたり、片方のみをひいきしたりしてはいけません。順番をつけることは必要ですが、一方に与えた楽しみは、甲乙を多少つけたとしても、両者に与えるようにしてください。
5.リーダーの権限を行使する。
群れの中での争いを絶対のタブーとし、徹底させることが大切です。タブーを犯した犬には、その犬に合った制裁(罰)を与えましょう。ただし、これは飼い主がしっかりとリーダーとなっていること、犬をコントロールできることが条件です。絶対に無理はしないでください。
6.徐々に慣らす。
犬同士が許容できる距離を、徐々に縮めていくようにします。犬舎など、犬の安全を確保した状態で行うようにしましょう。
7.お互いのテリトリー以外の場所で会わせる。
最初に犬を会わせるときに行う方法ですが、どちらのテリトリーでもない見知らぬ場所で会わせるとよいでしょう。
以上、簡単に挙げてみましたが、できそうなもののみを実行してください。無理と焦りは禁物です。日常の中で、これらをつねに意識し、犬と接するようにしましょう。実際には、見知らぬ場所でお互いの存在を意識させながら、おやつを与えるなど、複数の項目を組み合わせると行いやすいかもしれません。
また、今回の場合は、オス同士で、しかも2匹とも自分にもっとも自信がある年齢なので、去勢がまだであれば、この手術を行うのが先決でしょう。また、どんなに飼い主が努力しても、うまくいかない犬同士の「相性」というものがあります。このときは、諦めと妥協も必要だということも覚えておいてください。
