不適切な場所での排泄の原因と対処方法
ご相談への回答に入る前に、不適切な場所で排泄する原因とその対処方法を、簡単にご説明しておきます。
●マーキング
わざと目立つような場所を選んで排泄する「マーキング」は、テリトリーの主張をするために目印をつける目的で行います。散歩中に電柱や塀などに少量ずつ足をあげて引っかけているのと同じ意味のものです。本来、飼い主のテリトリーであるはずの家の中を、自分のテリトリーだと主張しているのですから、飼い主が常にリーダーシップをとるように心がけ、ここは飼い主のテリトリーだと犬に理解させるようにしましょう。
●叱りすぎ
トイレトレーニングの時に叱りすぎると、排泄行為自体をイケナイことだと認識して、飼い主の目を盗み、飼い主のいないところを探して排泄するようになってしまうことがあります。よく聞く方法なのですが、漏らした場所に鼻をこすりつけて叱るのは絶対にしないようにしましょう。なぜなら、犬に排泄物のにおいを嗅がせておいて「イケナイ」と叱れば、「排泄物はいけないものだ」という関連づけができやすくなるからです。そうなると、飼い主に見つからない場所を探して排泄するようになってしまうでしょう。また、このケースでは飼い主が見ていなければ、きちんとトイレで排泄します。
●飼い主の気をひく
排泄物に対して飼い主が過剰に反応したために、犬が「排泄すれば飼い主が自分に注目してくれる」と勘違いしてしまったために、かまってほしくて、かまってもらうための手段として排泄することがあります。中には、飼い主の見ている前で堂々とするケースもあります。飼い主は、慌てず騒がず、落ち着いて素早く片づけるようにしてください。このとき、犬には排泄物を片づけている姿は見せないようにしましょう。四つんばいになって、一生懸命にぞうきんを振り回している飼い主の姿は、とても魅力的な遊びに誘うポーズに似ているからです。犬にかまうのは、トイレで排泄できたときだけにして、そのときは思いっきり褒めるようにしてください。
ケージを利用して覚えさせる方法
ケージを利用してのトレーニングも試していたようですが、これは犬が自分の寝床を汚さないという習性を利用したものです。ですから、犬が成長するのに伴って、ケージを寝床と認識した場合、ここでの排泄はしなくなるでしょう。
ケージの広さは十分でしょうか。ケージ内をトイレとするならば、トイレスペースと寝床のスペースを明確に分けるようにしてください。できれば、寝床は輸送用のキャリーバックなど箱型のものが、犬にはわかりやすいでしょう。
トイレの材質を覚えさせる方法
もうひとつ、トイレスペースを広くしてトイレを覚えさせる方法がありますが、これは、まず犬にペットシーツなど、トイレの材質の上で排泄することを覚えさせます。最初は部屋全体に敷きつめてもかまいません。シーツの上でできたら、もちろん褒めてください。シーツの上でできるようになったら、徐々にシーツの枚数を減らしていき、最終的にはシーツ1枚でできるようにしていきます。
犬に何を教えたいのか、きちんとイメージする
どの方法でも、焦らず、犬に何を教えたいのか、飼い主が頭の中に明確にイメージすることが大切です。トイレトレーニングは、犬を監視できる時間が長いほど早く完成します。言いかえれば、留守番が多い犬では時間がかかる、ということです。留守番のときには、犬が排泄してはいけない場所には、入れないようにしておくことも大切です。騒ぐからといって自由にしていると、騒げば自分の思いどおりになると考えるようになってしまいます。
ご近所へは、犬と一緒にごあいさつにいかれることをおすすめします。そして、トレーニング中であることを伝えておきましょう。犬に対する相手の反応も見ることができ、今後の対応の参考にもできます。また、何より、飼い主の犬の鳴き声に対しての気持ちが軽くなるでしょう。
飼い主のストレスは、犬にとってもストレスです。何でもないことでも、不安が大きくなって、うまくいかないことが多くなってしまいます。犬は、飼い主の気持ちに敏感です。ましてや、今は信頼関係を育てる意味でも大切な時期です。煮詰まったときには、犬を預けたりして、飼い主自身が気分転換することも必要だと思います。犬も預けられることは、ある意味よい経験になるでしょう。あとは、これでもかというくらいに、犬と一緒に遊びましょう。犬は、遊びが大好きです。トイレの問題だけでなく、犬育てに焦りは禁物です。焦らず、ゆっくり、根気よくがんばってほしいと思います。
