なぜ、首輪にかみつくのか?
犬同士がじゃれ合い、はしゃぎ回って遊んでいる姿は、本当にうれしそうで、見ているだけで楽しくなってきますね。犬には、この遊びを平和的に楽しむためのルールがあります。このルールが守られている限り、ケンカになることは、まずありません。遊びの場では、ある程度の上下関係を確認し、その中で交代に主導権をもって行動します。もちろん、いきすぎた行動はたしなめられ、こうして犬同士のつきあい方を学んでいきます。
では、「相手の犬の首輪にかみつく」という行為は、どんな意味があるのでしょうか。犬が優位性を示す行動の中に、「首筋をくわえる」というのがあります。相手の頭の位置をコントロールし、その動きを制限することにより、自分の力を誇示しているのです。ちなみに、この原理を利用して、飼い主の意思を犬に伝えるために開発されたのが、首輪やヘッドカラーといった道具です(「ヘッドカラー」は、口吻部分にテンションを加えることで、動きをよりコントロールしやすくなっています)。
今回のご相談の場合は、相手の犬をコントロールしたり、自分に注意を向けさせたりするための有効な手段として、首輪をかんだり、引っぱったりするということを、自分で学んでしまったのかもしれません。また、首輪をかむという行為自体が、「引っぱりっこ」などの遊びとなってしまっているということも考えられます。野田様が心配されているように、たとえケンカをしているわけでなくても、首輪をかまれている犬の飼い主にしてみれば、気持ちのよい行為ではないでしょう。すでに「ビターアップル」は試されて効果がなかったということですので、今回は他の方法を考えてみましょう(たまにいるんです、「ビターアップル」が効かない犬。実は、もっと苦い「ビターオレンジ」というのもあるんです・・・)。
かまないようにしつけるには?
まず、首輪をかむという行動で、愛犬が得ている“見返り”を考えてみてください。一般的には、自分に対する“相手の反応”が考えられます。例えば、「首輪をかまれた犬が、自分のアプローチに反応して遊んでくれた」「飼い主が楽しそうに追いかけてきた(本当は叱るつもりでも)」などです。このような場合は、それらの見返りを得られないようにすることで、望まない行動をやめさせることができます。
具体的には、必ずリードをつけておき、首輪をかんだら、何も言わずにリードをひっぱって、その場から離れ、しばらくしてその場に戻るという行動をくり返します。「首輪をかんだら遊べなくなる」ということを、完全に理解するまで何回でも何日でもくり返し実行してください。実行したり、しなかったりすると、犬が理解するのに時間がかかってしまいます。ですから、大変ですが、「首輪をかんだら、その場から離れる」と決めたら、必ず実行してください。
このほかにも、行動を強化している見返りがあるかもしれません。思い当たることがあれば、同じ要領で、見返りを得られないようにし、首輪をかまないように仕向けていきましょう。
